2017年 年頭所信

『新たな変革と生産性向上に挑戦』

 新年あけましておめでとうございます。穏やかなお正月をご家族揃ってお健やかに迎えられたことと 心からお慶び申し上げます。本年も心身ともに健康で明るく元気な一日一日を過ごしてまいりましょう。

 昨年2016年は、国内外の政治経済の激動の1年でした。日経平均株価が2015年末の19,000円から年初16,000円まで大幅に下落し、日銀は景気刺激策としてマイナス金利を導入しました。4月には最大震度7の熊本地震が発生し甚大な被害と地域経済に多大な影響をもたらしました。6月には英国の国民投票でEU離脱が決定され、7月の参議院選挙で自民・公明党の与党が大勝し、10%の消費税増税は2019年10月に再延期が決定されました。11月の米大統領選では、共和党のトランプ氏が勝利し、その直後予想に反して為替が急速に円安に進み、株価も大幅に上昇し輸出企業の収益は急回復しましたが、輸入品は高騰しています。
 このような激動の政治経済の状況で直接当社の業績に影響することは、消費税増税の再延期の決定で、新設戸建て住宅着工数は昨年秋以降も低迷していました。ようやく11月より注文・分譲住宅の受注が急増し、一昨年来堅調なアパート・マンションの賃貸集合住宅の建設にプラスして、今年2月までは、残業・祭日土曜出勤で納期対応していきます。また年末の急激な為替の円安でSPF輸入材価格が約10%上昇しており、更に国内の建設・建築業界の活況で、その他構造用合板等の主資材も品薄で高騰して、コストアップになっています。当面資材髙の傾向が続きますので、お客様に現況を丁寧に説明するとともに、見積原価に反映させて限界利益率の維持あるいはアップを実現していきたいと思います。

 さて今期3つの経営目標の第一は労働災害ゼロの達成です。昨年末現在275日、目指すは500日です。年内には悲願達成を実現し、次の目標1000日にステップアップし、安心安全で心身ともに健康的な職場環境を創りあげていきます。
 第二は、会社のショールーム化の推進とダントツの品質精度です。昨年は各地から業界を問わず国内外から多くのお客様の来訪と各種セミナーや新たに地域貢献の一環としてヴァイオリンコンサートも開催しました。柿内先生の全社改善活動(KZ法)も4回開催し、特に懸案になっていました屋根・床パネル住宅工場のエアホースの上部からの吊り下げ方式の実現により、床面作業の安全性が確保できるようになりました。このように改善活動も定着化し、7つのムダ即ち「造り過ぎのムダ」「手待ちのムダ」「運搬のムダ」「加工そのもののムダ」「在庫のムダ」「動作のムダ」「不良を造るムダ」を徹底的に排除し、改善改革を推進していきます。また柿内先生の「改善の急所22」の改善の優先順位は、『安全第一、品質第二、リードタイムとコストは第三』を全社のルールとして厳守していきます。
 第三は、通期業績目標の達成です。上半期の売上実績はほぼ目標に届くところですが、営業利益額に関しては、目標の約45%で今後住宅事業、パレット事業ともに個別原価管理を徹底することにより、目標達成を目指していきます。また住宅事業では、昨年秋より新規に大手コンポーネント会社様からの定期的な壁パネル生産受注や床断熱パネル加工、サッシ建材販売、造作施工請負等が徐々に売り上げに貢献し、今年は第三の柱に育てていきます。

 次に今期中に出荷前のパネル製品の品質を維持するための木造製品保管倉庫を建設し、梅雨から夏季間の製品のカビクレームを未然に防止していきます。また次世代のネットゼロ・エネルギーハウス(ZEH)健康快適住宅や社員寮、非住宅木造施設等の実証提案をはじめ琵琶湖材を含めた国産材の適材適所活用を推進していきます。更に安部内閣から働き方改革が叫ばれる中、当社においても残業休日出勤の削減と平準化および有給休暇の計画的取得を進めるとともに、製造部をはじめ全部門の生産性向上即ち限られた投入経営資源に対して最適で効率的な成果を生み出すために、一人一人のスキルアップと過去にとらわれることなく新たな業務改革に挑戦していきます。

 以上、今年は、「新たな変革と生産性向上に挑戦」を旗印として全社一丸となって仕事に前向きに取り組んでまいりますので、皆さんお一人お一人のご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 すべての行動の原点は、皆さんとご家族の物心両面の幸福の実現とお客様、関係先の皆様のご満足、そして地域社会貢献という『三方良し経営』の実践であることを心に刻んでいきましょう。 ありがとうございました。 髙橋文夫拝 忠恕