近江商人魂

2015年11月27日 社長通信231

1.はじめに
 今年も残すところ1ヶ月あまり、日の入りが急速に早まっており気忙しくなってきました。住宅やアパート着工数も今月から来月にかけては2年振りに40%以上多く、皆さんには残業や休日出勤の対応や部署間の応援体制等種々協力していただきまして誠にありがとうございます。昨年の4月以降、消費税の増税の影響で新設住宅着工数が大幅に減少し、1年半にわたって業績が低迷しておりましたが、年末にかけてお客様や皆さんのお陰で業績が改善されそうです。是非今期業績のV字回復実現のために、全社一丸となって業績アップに取り組んでまいりましょう。

2.たねやグループ山本昌仁社長に学ぶ
今月12日の社長塾で、現在滋賀県各地はじめ東京から博多までの有名デパートで41店舗の菓子店を出店するたねやグループ・46歳の山本社長から「真似されてこそ本物!今に生きる近江商人魂」のテーマで講演を拝聴しました。
はじめにたねやさんの3つの経営理念を紹介しましょう。
①「天平道(てんびんどう)」商道は人道~近江商人たちが最も大切にしてきたものは、長い行商のあいだ片時もはなさなかった天秤棒でした。天秤棒はそのまま商いの道に通じ、商いの道はそのまま人間性を磨くことを通じてお菓子をつくりあげお届けする道です。
②「黄熟行(あきない)」手塩にかける~これは手塩に掛けて育てる心です。お菓子は、元来秋に実り熟す果物から生まれたもので、自然から学びながら手塩に掛けて育てるという原点を決して忘れることなく心得るということです。
③「商魂(しょうこん)」今日如何にお客様によろこんで頂けたかの心~お客様に接する心の基本的な心構えとして、「天平道」・「黄熟行」の魂を込めて日々の商いを実行していくことと捉えています。
 また1872年(明治2年)「種家末廣」の屋号で近江八幡の地にお菓子店が創業し、その創業精神は経営方針として現在も受け継がれています。
「他人さまには幸せを、そして自らには厳しい鞭を。ここに商人としての真の道がある。人の在る処、必ず道がある。だがその道は、自らが求め、すすんで拓かねば、決して開けるものではないとの先人の教えを道標として、たねやはひたすらに歩んで来た。そしてこれからも亦、その正道を歩み続ける。~ 今日如何にお客さまにお喜びいただくか、これこそが商いの真髄なり。数字のみを追うは真の商いにあらず。心を砕き、身を低くして、お客さまへの礼をつくすべし。」
 ここに近江商人の商いの原点があります。山本氏は、お客様に喜んでもらえるものづくりに徹し、決して売上を追わない、常にお客様の声、ニーズを追い続けて新たな商品を世に人に問うていくことを使命としています。この考えは、我が社の経営理念と相通ずるところです。自信と誇りを持って経営理念を実践していきましょう。

3.今月の論語の言葉
 吾が道は一以て之を貫く。夫子の道は忠恕のみ。ありがとうございます。高橋文夫拝