いのち

社長通信194

1. はじめに
 街角からは金木犀の甘い香りが漂い、彦根城内の二季咲桜もちらほら咲き始め、朝方も10℃を下回る日が目立ってきました。このように季節は確実に進み、今年も2ヶ月あまり、多くのお客様からお声をいただき、心身ともに健康に過ごしていきたいものです。

2. 社員満足度調査について
 毎年この時期、総務部で、全従業員の皆さんの仕事や、チームワーク、教育訓練、リーダーシップ、人事制度・福利厚生などの満足度のアンケート調査を実施し、忌憚のないご意見をいただいています。
 現状アンケートの回収率は88%ですが、仕事に誇りを持っている人が81%あり、78%の人が会社の雰囲気がいいと感じています。またこの夏第2回のシガウッド祭りが成功したこともあり、慰安旅行や忘年会などの行事に対しても昨年の69%から、今年は78%とアップしました。しかし受注の増加や構造図面の確定の遅延、3年の実習期間を終えた中国実習生の帰国、配置転換などが原因で、時間外勤務が重なり、仕事量の過多を78%の人が感じています。また53%の人で人事評価制度がよく理解されていませんので、上司面談などを通して十分に説明していきます。なお福利厚生施設の不満は65%であり、新社屋建設に79%の人が期待していただいています。来月にはこの建設計画の概要をお伝えしていきます。
 今後このアンケート結果を真摯に受け止め、改善改革の報告書をまとめて皆さんに提示するとともに、これからの経営方針の策定や職場環境の改善に努めて参りますので、ご理解ご協力をお願いします。

3. 人生の師・菅寿雄様のこと
 今年は、身内の介護や親戚の方が他界されるたびに、長寿の意味を考えることが多くなります。また20年間、人生、経営の尊敬する師として仰いできた菅寿雄様が、この8月20日、69歳で他界されたことは、残念でなりません。この5年間病魔と闘い、ご自分のいのちと引き換えに、後継経営者の育成に心骨を捧げ、愛情を注いでこられことに、心から敬服致します。私も、経営上の悩みや苦難、親孝行や身内の健康問題など、親身になって相談にのっていただき、感謝に耐えません。よく体のいのちは亡くなっても、心のいのちは生き続けると言いますが、正に菅様のことを言うのでしょう。菅様の意思を引き継いで、これからも精進して世のため人のためにお役に立って参りたいと思います。

4. 人生にとって大切なこと
 この19日に開催された社長塾で、NPO法人「いのちをバトンタッチする会」代表の鈴木中人さんから「生きる喜び、働く喜び」のテーマでご講演を涙して拝聴しました。
 鈴木さんは、長女の小児ガンの発病と死を機に、「いのちのバトンタッチ」をテーマにいのちの授業や講演活動、小児ガンの支援活動に精力的に取り組んでおられます。
 鈴木さんは問いかけます。「あなたが人生で一番大切にしているのは、何ですか?
 ①お金、②仕事、③名誉、④家族、⑤いのち?」
 また西洋の小話の紹介です。教会の前で働いている3人のレンガ積み職人のお話で、通行人がこの3人の職人に何をしているのかと尋ねます。
 1番目の職人は、「レンガを積んでいます。」 2番目の職人は、「塀を造っています。」 3番目の職人は、「神に近づくお勤めをしています。」この3人の仕事は同じでも、意識の差で、半年後、1年後は、全く違った職人になっているはずと。即ち「今日の仕事」と「将来の仕事」を意識して働くことの大切さを気づかせてくれます。
 そして子どもを亡くして親が供養する逆縁は、絶対にないように、いのちを大切に、また生かされていることに感謝して、周りの人たちの幸せのために働いて欲しいと説かれます。私たちも生き方や働き方を振返ってみる時間を時には持ちたいものです。 ありがとうございました。高橋文夫拝