2×4住宅
2×4工法の特徴と性能
ツーバイフォー工法とは?
2×4工法(ツーバイフォー工法)の日本での正式名称は「枠組壁工法」と言います。規格材のうち主な基本構造材となる2インチ×4インチが名前の由来です。
ツーバイフォー工法の特徴
構造
木造在来工法が柱と梁(軸組)で荷重を支えるのに対し、ツーバイフォー工法では主に壁組(耐力壁)と床組(床版)で大きな“箱”を造り、家全体で荷重を支える構造になっています。
施工
ツーバイフォー工法は、構造材や釘・金物のサイズ・使用方法・使用箇所から施工の手順まできめ細かくマニュアル化されているため、施工者の技量に左右されることなく、どの住宅にも均一な高品質と高性能を実現します。
また建方の面では、軸組工法よりも施工の合理性が高く簡単で、工期の短縮やコスト軽減の面でもメリットがあります。
ツーバイフォー住宅の性能
耐震性
ツーバイフォー住宅は、床・壁・天井が6面一体となっています。そのため、地震の揺れを6面体の建物全体で受け止めて力を分散・吸収させます。地震の力が一部分に集中することがないため、地震に対して抜群の強さを発揮します。
※ 阪神・淡路大震災でも驚異的な強さを実証
この地震では、家屋の全壊約10万1000棟、半壊を含めた一部損壊が約28万9000棟以上と、想像をはるかに超える被害が発生しました。しかし、ツーバイフォー住宅の内96.8%が特に補修をしなくても居住可能な状態であったことが報告されています。
耐火性
ファイヤーストップ構造
ツーバイフォー住宅の場合、火の通り道となる床や壁の枠組材などが、ファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断。上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。
また、床根太、枠組材などが一定間隔で組まれている床や壁の内部構造は、防火区域がいくつもつくられているのと同じ状態になります。ファイヤーストップ構造によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高く、火災時の被害を最小限に抑えます。
石膏ボードでさらに耐火性能UP
ツーバイフォー住宅では、すべての天井や壁の内側全面に厚さ12.5mm以上の石膏ボードが貼られます。
石膏ボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こし、約25分もの間水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため万一火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点に達するまでの時間を大きく遅らせる事ができます。
また、床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石膏ボードとともに木材の発火を遅らせます。
これらにより、ツーバイフォー住宅の耐火性はさらに高くなっています。
内部火災にも強い高気密構造
内部火災においては、窓やドアを閉めておけば、新しい酸素が供給されずに自然鎮火することがあります。
※ 高い耐火性能を有しているツーバイフォー住宅は、火災保険料率にも反映されています。
★次のような耐火建築も2×4工法におまかせ
・延べ面積3,000㎡超 または 階数が4以上の建築物
・3階建て以上の特殊建築物
(学校、病院、ホテル、共同住宅など)
・防火地域の100㎡超 または 階数が3以上の建築物
・準防火地域の1,500㎡超 または 階数が4以上の建築物
断熱・気密性
ツーバイフォー住宅は、床・壁・天井を面とする6面体を家の構造として持っているため、すきま風の侵入や室内の空気の流失が少なく、高断熱・高気密を実現しやすいと言えます。
外壁は枠組材に構造用面材を貼った大壁構造のため、枠組材の間に空気層をつくります。また、断熱材はその空気層に充填するため施工も容易です。構造体自体を断熱化しやすく、気密施工も容易。建物自体がもともと優れた断熱性・気密性を兼ね備えています。
そのため、冷房・暖房の効率がとても良く、少ない冷房・暖房費で一年を通じて快適に過ごせます。在来工法に比べ、年間の冷暖房電気消費量が約30%近く節約できるというデータも出ており、ツーバイフォー工法は省エネルギー住宅を実現しやすい工法と言えます。
ツーバイフォー工法は、地域に合った断熱・気密仕様が選択できるため、南北に長い日本全土のどの地域にも建築できます。
耐風性
ツーバイフォー住宅の屋根は、強風に対して優れた強度を備えています。ハリケーンが襲う北米で生まれただけに、強風に備える独自のアイデアが採用されています。屋根全体が一面の構造体となっており、軒下から強い吹き上げ風があっても屋根が持ち上げられにくい強固な構造です。
耐久性
結露は室内外の温度差や、温度の急激な変化などによって起こります。特に壁の内部や小屋裏で発生しやすい結露は、木材の腐朽の原因となるだけでなく、カビの繁殖など、住まいにさまざまな悪影響をおよぼします。
ツーバイフォー住宅は壁内に断熱材が充填されているため、室外と室内の温度差がゆるやかに緩和され、結露が発生しにくい構造となっています。
また、小屋裏には軒裏換気、妻換気等を設けるなどして有効な換気方式を採用しています。また、一般的に断熱材の外側(外壁仕上げの内側)に通気層を設け、万一の漏水時の排水のためにも役立っており、耐久性を高めることとなっています。